永山 瑞生 早稲田大学先進理工学部のキャンパスライフの詳細ページです。

電気・情報生命工学科 4年

永山 瑞生

Nagayama Mizuo

多様な分野に触れ、自分のやりたいことが見つかる学科

Q

電気・情報生命工学科を志望したきっかけは?

もともと生物に興味があったのですが、高校の「生物」は暗記が多く、あまり深く掘り下げません。そこが不満でしたが、神経細胞(ニューロン)を学び、電気信号の働きが出てくると、俄然面白くなりました。電位の変化によって情報を伝達する脳の神経細胞の働きを理解するためには、暗記だけではなく、考えることが求められるからです。
ちょうどその頃、手に取った電気・情報生命工学科のパンフレットで「脳機能地図を作る」という研究の記事を見て「これだ!」と直感し、受験を決めました。

Q

電気・情報生命工学科の特徴を教えてください。

学科には電気・電子・情報などの領域と、生命科学分野の領域で多彩な研究を行う先生方が集まっていて、双方の融合した領域で先進的な研究が行われています。近年注目されているように、生命系の神経細胞や遺伝子などが電気や情報と深い関わりがあるからです。
私の場合、他大学の生物専門の学部と迷ったこともあったのですが、電気・情報生命工学科でいろいろな分野に触れることができ、自分のやりたいことを見つけられたので、進学して良かったです。

Q

たとえば、どのような研究があるのでしょうか。

高松研究室では、脳を持たない粘菌が広がっていく様子と、人間が作る交通網や電力網などのネットワークを比較して、応用することを考えているようです。この研究を聞いたときは驚きました。そのほかに、生体に備わる光受容体の研究から光を医療などに応用する研究や、次世代のエネルギーマネジメントシステム(EMS)の研究が印象に残っています。

睡眠中のラットのニューロンをデータ解析する

Q

所属する村田研究室の研究内容を教えてください。

村田研究室では、情報やデータを解析する方法を研究し、様々な分野への応用に取り組んでいます。最近では、「機械学習」や「ディープラーニング」というキーワードで注目される分野です。たとえば、ECサイトなどで検索結果からおすすめ商品を学習させるシステムを企業と共同研究していたり、雲の画像データから日射量を予測するシステムを開発している人がいます。

Q

永山さんはどのような研究をしているのでしょうか。

実験用ラットのニューロンのデータ解析です。生きたラットのニューロン内のカルシウムイオンを蛍光タンパク質によって可視化して顕微鏡で撮像すると、個々のニューロンの活動が時間ごとに分かります。そのデータからニューロン間の関係を「グラフ構造」で示し、睡眠時・覚醒時の特徴や時間ごとの変化を調べたりしています。

Q

実際にはどのような作業をしているのでしょうか。

データ自体は他大学の先生からお借りしたもので、私はPCでプログラムを作って、データを解析しています。入学当初はプログラミングが苦手でしたが、私が命令したらその通りにパソコンが動くのを見ていると、苦手意識を払拭できました。実際にやってみると面白いですよ。

Q

研究のやりがいや苦労を教えてください。

機械学習でデータを扱う際、様々な仮定のもとで色々な手法を用います。たとえば、データが正規分布にしたがっているという仮定のもとでこの手法が使えるというようなことです。しかし、実際のデータは仮定通りというわけではないので、使える手法の判断が難しかったり、データの加工や新たな手法の設計が必要だったりします。そのうえ、生物系のデータはノイズが多いので大変です。
ただ、先輩方もそういった課題を乗り越えるためにいろいろな工夫をしているので、私もやりがいを感じています。

Q

受験生にひとことお願いします。

受験勉強をしていた頃は、とにかく「早く終わってほしい」と思っていました。でも、今となって思うのは、受験はあくまで大学生活のためにあるのだということです。ですから、時にはどんな大学生活を送りたいのか、大学で何をやりたいのかを考えながら、勉強に取り組んでほしいです。やりたいことがまだわからなくても、何かしら興味を抱くことがあるでしょう。そこを掘り下げて、進路を考えたり、リサーチしたりすると良いと思います。大学に入ったら、好きな勉強を思う存分できるので、頑張ってください。

※所属と学年はインタビュー当時のものです。

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