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止血ナノ粒子と酸素運搬ナノ粒子による重度出血性ショックの救命蘇生に成功

防衛医科大学校免疫微生物学講座の木下学准教授と早稲田大学理工学術院の武岡真司教授(生命医科学科)、奈良県立医科大学化学講座の酒井宏水教授の研究チームは、止血ナノ粒子と酸素運搬ナノ粒子を用いた出血性ショックの救命蘇生に世界で初めて成功しました。
本研究チームは血小板減少を来したウサギの肝臓を傷つけ、大量出血で死に至るモデルを作製し、止血能と酸素運搬能を有した2種類のナノ粒子を静脈内投与することで効果的な止血と虚血の回避により救命に成功しました。2つのナノ粒子は、各々血小板や赤血球の代替物として出血部位での止血と全身への酸素運搬を司る機能を持ち、これらの投与で凝固障害を伴う致死的な出血性ショックが救命できました。このような重篤な出血性ショックは未だ有効な治療がなく、2種類の機能性ナノ粒子による新しい治療法として期待されます。
本研究成果は輸血学雑誌Transfusion (59巻7号電子版)に2019年7月1日(米国東部時間)にオンライン掲載されました。
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