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時計遺伝子を欠く変異体での減衰振動

時計遺伝子を欠く変異体での概日減衰振動を発見

早稲田大学理工学術院の岩崎秀雄教授(先進理工学部電気・情報生命工学科)および河本尚大助手、九州大学大学院芸術工学研究院の伊藤浩史准教授、立命館大学理工学部機械工学科の徳田功教授の研究グループは、シアノバクテリア※1の「概日時計※2(生物時計)」に関して、従来必須とされてきた3種類の時計遺伝子の1つがなくても、弱い振動(減衰振動)を生じることを発見しました。また、この時計遺伝子の1つを破壊したシアノバクテリアでも、24時間周期の外力を与える共鳴※3実験により、振れ幅の大きな概日周期性を持つことを明らかにしました。今後、今まで認識されていなかった隠れたリズム現象が、哺乳類や高等植物でも見つかる可能性があります。

本研究成果は、2020年5月7日午前10時(英国時間)に英国科学誌(オープンアクセス誌)『Nature Communications』のオンライン版で公開されました。

【論文情報】
雑誌名:Nature Communications
論文名:Damped circadian oscillation in the absence of KaiA in Synechococcus(KaiAを欠くSynechococcusの示す概日的な減衰振動)
DOI:10.1038/s41467-020-16087-x

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