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アルマ望遠鏡、観測史上最遠の合体銀河の証拠をとらえた

早稲田大学理工学術院の橋本拓也氏(日本学術振興会特別研究員PD)、井上昭雄教授(物理学科 )らの国際研究チームは、アルマ望遠鏡を使って遠方天体B14-65666を観測し、酸素、炭素、塵が放つ電波を検出することに成功しました。この天体までの距離は131億光年であり、これほど遠くで酸素、炭素、塵がそろって検出されたのは世界で初めてのことです。
ハッブル宇宙望遠鏡の観測で、この天体のなかにはふたつの星の集団があることがわかっており、今回、アルマ望遠鏡でも、酸素、炭素、塵がふたつの塊に分かれていることがわかりました。詳しい解析から、研究チームは、同程度の大きさを持つふたつの銀河が今まさに合体しつつあると結論付けました。
これは、合体銀河として観測史上最遠のものです。B14-65666では天の川銀河の100倍のペースで星が生み出されています。合体によって銀河のガスが圧縮され、爆発的な星形成が起こったと考えられます。宇宙誕生後10億年に満たない時代の合体銀河の活発な活動をとらえた、重要な観測成果といえます。
本研究成果は、天文学専門誌「日本天文学会欧文研究報告」に2019年6月18日付で掲載されました。<続きを読む>